嫌われる勇気は2013年に発売され、今もなお売れ続け累計発行部数200万部を突破する大ベストセラーとなっています。
嫌われる勇気は、アドラー心理学を元に作られた、対話式の書籍です。
今回この記事では「嫌われる勇気」についてカウンセラー目線でわかりやすく解説していきます。(図解も入れています。)
・嫌われる勇気を買おうか迷っている
・嫌われる勇気はどういった内容なのか知りたい
・アドラー心理学についてもっと知りたい
という方におすすめの記事になっています。
嫌われる勇気(アドラー心理学)のまとめ【3つに分けて解説:図解あり】
嫌われる勇気が売れているのは、アドラー心理学だからではなく「嫌われる勇気というタイトル」と「目につきやすいタイトル表示」だと考えます。
アドラー心理学については「ちょっとおかしい?常識外れなアドラー心理学」をご覧ください。
(嫌われる勇気の著者である岸見一郎さんのアドラー心理学入門にて解説しています。)
嫌われる勇気ってタイトルがスゴイなって思いませんか?
普段生活している中で「嫌われてもいい」と思いながら過ごしてる人は、ほとんどいないと言えるでしょう。
なぜこのようなタイトルなのでしょうか?
そこにはアドラー心理学の本質が隠れているのです。
嫌われる勇気を持つこと
嫌われる勇気を持つということは、今の自分を正しく表現するという意味です。
嫌われる勇気の内容を3つに分けて解説していきます。
- 他者の目を気にしない
- 自分の思い込みを変える
- 相手ではなく自分に求める
では1つずつ解説をしていきます。
1.他者の目を気にしない
嫌われる勇気の中に哲人が青年にこう話します。
他者から嫌われ、対人関係のなかで傷つくことを過剰に怖れている
それにより、他者の目を気にすることで、本当の自分が出せなくなってしまっているのです。
本当の自分を隠し、嫌われないように相手に合わせた自分を作るのです。
その偽りの自分が、あたかも本当の自分のように相手に振る舞ってしまいます。
相手に合わせる自分を正当化する
例えば、
・悪口を言ってるグループに入ってしまい、言いたくない悪口を言ってしまう
・飲み会に行きたくないのに、仲間外れになりたくないから飲み会へ行く
・食べたくないけど、同じようなランチメニューを選んでしまう
などです。
かなり他者の目を気にして行動してますよね。
嫌われる勇気では、
あなたの「目的」は、「他者との関係の中で傷つかないこと」なのです。
と哲人が話しています。
上記の例のように、他者を気にする人は「相手に合わせることでしか、相手と仲良くいられない」と思っているのです。
自分の課題と相手の課題を分離する
嫌われる勇気では、自分の課題と相手の課題を分離することを話しています。
アドラー心理学では、他者から承認を求めることを否定します。
他者もまた「あなたの期待を満たすために生きてるのではない」のです。
先ほどの例に戻ると本当の自分に正直になると
・言いたくない悪口は言わない
・行きたくない飲み会に行かない
・食べたくないものは頼まず、自分の好きなものを食べる
というようになるのです。
他者の目線を気にし、嫌われたくないから本当の自分がしたいことをしなくなるのです。
しかし、本当の自分で行動をしたときに嫌われてしまったなら、その「嫌い」という気持ちは相手の課題であって、あなたの課題ではないと哲人(アドラー心理学)は言っています。
相手が「嫌い」と思おうが「好き」と思おうが、自分には介入できないということなのです。
2.自分の思い込みを変える
1で述べた「他人の目を気にしない」ようにするには、自分の思い込みを変える必要があります。
嫌われる勇気で哲人が
「自分を好きにならないでおこう」と、決心しているからです。
と話しています。
自分の短所があるから他者に嫌われるんだという思い込みが、あなたを不自由にさせているのです。
「自分には嫌われる理由がある」という思い込みが、相手を作りあげているのです。
自分は嫌われる存在だと思い込んでいる
例えば、
・自分は好かれていないから、相手は浮気してる。
・自分は仕事ができないから、上司に怒られる。
・自分はかわいくないから、恋愛できない。
という自分についての思い込みってありますよね。
上記の例でいうと、「浮気をしている」とフォーカスする(中心に考える)と、相手が浮気してるように見えてくるようになっているのです。
「自分の見たいものが見えてくる」この世界はそのようになっているのです。
思い込みを変えてみる
では、根本的なところを変えてみると、どうなるのでしょうか?
という思い込みがあったとしたら、
という、思い込みに変えてみるのです。
例えば、
・相手は自分のことが好きなので、浮気はされない
・自分は仕事出来ないけど、いるだけで役に立っている
・自分はかわいくないけど、モテる
というようにマインドを変えていくのです。
根本的なマインドの違い
あの人浮気されないな~とか、仕事バリバリじゃなくても楽しそうだな~とか、かわいくないけどモテるな~って人見かけませんか?
それは、その人の根本的なマインドが違うからです。
その人からみた世界は自分の思い通りの世界になっているのです。
相手軸から自分軸へ変化させる
相手の軸から、自分に軸を変えることが大切になってきます。
嫌われる勇気ではそれを、
問題はわたしが決心するかどうかであって、対人関係のカードは常に「わたし」が握っていたのです。
わたしが変わったところで、変わるのは「わたし」だけです。
と言っています。
まず「わたしの考え方を変えること」をアドラー心理学は伝えています。
世界とは、他の誰かが変えてくれるものではなく、ただ「わたし」によってしか変わりえない アドラー心理学
— Halu(ハル)@ゲーム作成にハマる (@HALUHALUHALE) December 24, 2019
自己分析で「わたし」の世界は変わりました
自分はどういう世界にしたいのか?
自己分析で自分の世界はガラリと変わってきます。
3.相手ではなく自分に求める
人がやってほしいと言われたことをやりすぎてキャパオーバーした経験ありませんか?
相手のやってほしいことを優先することで、自分はこれだけ出来るんだと相手に思ってもらいたいからでしょう。
「ほめられたい」「すごいって思われたい」と考えることからそのような行動になってしまいがちです。
それを「嫌われる勇気」で哲人は
あたかも自分が優れてるかのように振る舞い、偽りの優越感に浸るのです。
健全な劣等感とは、他者からの比較のなかで生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるものです。
と話しています。
相手と比較せず理想の自分と比較する
自分と他者との関係が縦のラインにあると思うから「すごいと思われたい」と感じてしまうのです。
縦のラインを横のラインにすれば「同じ人間」という軸でみることができます。
相手と比較すれば、自分のいいところもあれば、悪いところもあります。
相手と比較するのではなく、なりたい理想の自分と比較していくことを嫌われる勇気ではすすめています。
「大切なのはなにが与えられてるかではなく、与えられたものをどう使うかである」
— Halu(ハル)@ゲーム作成にハマる (@HALUHALUHALE) December 15, 2019
アルフレッド・アドラー https://t.co/rBkTFnWMJY
自分に与えられたものを、どのように生かしていくか?が人生の課題なのですね。
承認欲求はあっていい
では承認欲求はいらないかというと、そうではありません。
承認欲求はあってもいいのです。
それを相手に求めず、自分に求めるのです。
できたことを「相手にほめてもらう」ではなく、「自分でほめる」ことが大切なのです。
そんな偉い人でも自分で自分をほめて伸ばしていたんですね。
嫌われる勇気(アドラー心理学)【3つに分けて解説】:まとめ
今回の「嫌われる勇気」のまとめでは、以下の3つを紹介していきました。
- 他者の目を気にしない
- 自分の思い込みを変える
- 相手ではなく自分に求める
嫌われる勇気は、「相手軸」から「自分軸」に考えていくことが大切だと述べているのです。
アドラー心理学は少し理解しがたい心理学です。
哲人が言っていましたが、「もしもアドラー心理学を知った年が20歳なら、その半分の月日が理解するのにいる。」と伝えています。
(20歳ならあと10年、30歳ならあと15年かかるということです。)
「嫌われる勇気」は、嫌われたくないという気持ちが、この本をベストセラーに導いたのでしょう。
嫌われる勇気を読む時は、青年と自分と照らし合わせながら、読んでいくことをおすすめします。